2010年 09月 26日
モダニズムと木造建築 |
レーモンド展の中で「モダニズムと木造建築」を俯瞰するコーナーがあり、この2つの建築が取り上げられていました。折しも昨年の3月に「東京たてもの園」を訪れ、移築されたものを見学。正直、前川邸を見に行ったつもりが、隣にある小出邸に心を奪われ、何度もみていたことを思い出します。美しさというより力強いメッセージ性を感じる建築。方形つくりの屋根に水平の庇が貫通している形状は圧巻でした。
日本建築におけるモダニズム運動を主導した堀口捨巳が、ヨーロッパ旅行から帰国直後に設計した住宅で処女作と言われています。当時ヨーロッパで流行したデスティル等のデザインと、日本の伝統的な造形の融合を模索しています。
レーモンドは、外国人として日本の民家的な良さを発見しモダニズムと木造建築の形を作り出しました。一方日本人である堀口捨巳は、日本らしさとモダニズムとの融合を模索、また土浦亀城は、モダニズムを木造建築で表現しようとしていました。それぞれのベクトルの違いが興味深く、その後の建築界に大きな影響を与えていることを改めて感じます。
by m_morimoto32
| 2010-09-26 01:43
| 建築探訪
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